はじめに
シドニーCBDから西に約15㎞、電車で約30分のところに、Auburnという郊外(サバーブ)があります。
トルコなど中東の方々をはじめ海外出身者が多く暮らしている街で、トルコ人の街とも言われています。
今回は、オーバンへの行き方や本場ケバブレストランを紹介します。
この記事をおすすめする方
・シドニー観光中、半日程度でどこか行けるところを探している方
・シドニーにいながら海外旅行気分を味わいたい方
シドニーCBDからオーバンへの行き方
それではいざオーバンに向けて出発!
今回、筆者はTown Hall駅から出発しました。
シドニーCBDからは、T1もしくはT2の電車で向かいます。
Town Hall駅からは快速電車(Limited Stops)で約30分。
約10分毎に走っているので、これなら隙間時間に気軽に行けそうです。
電車は2番線に到着するようです。
早速、電車が到着しました。
筆者が乗ったのは、Central経由、Leppington行の電車です。
シドニーの電車は2階建て、通路の両側に2列と3列の座席が並ぶ車両が一般的。
たいていの場合は座れます。
日本の通勤列車とは大違い!
そして、電車に揺られること30分、やってきました、オーバン!
駅を出たら、まずは腹ごしらえにトルコ料理を食べに行きます。
オーバンの雰囲気
街並みもシドニーCBDとはまた雰囲気が違って面白い!
英語・中国語のほかアラビア語もあります。
道行く人もムスリムの方が多い印象です。
事実、2021年のオーストラリアの人口センサス(国勢調査)によると、オーバンに住む人の65%は海外生まれなんだそう。
そして、住民の90%は少なくとも片方の親が海外生まれ、これはオーストラリアで最も高い割合とのこと。
多様な人たちが集まる街は、なんだか居心地がよく、ワクワクします。
本物のケバブを探して-New Star Kebab Family Restaurant-
さてさて、駅から歩いて5分、お目当てのケバブレストランにやってきました。
お店の名前は、New Star Kebab Family Restaurant。
日本語のレビューはほとんどないけれど、ローカルらしき人たちのレビューが多いので気になっていたお店です。
早速、料理を注文します。
悩んだ末、BBQチキンピザ(6ドル)、DONER KEBAB(12ドル)、ADANA PLATE(20ドル)の3つを注文しました。全部で37ドル。
ケバブはソースを聞かれたので、ポピュラーだという「ガーリック&フムス」を選びました。
フムスはひよこ豆のペーストに調味料をあわせたもので、中東などでよく食べられてる伝統料理なんだって。
店内で食べるかテイクアウト(オーストラリアではTake awayと言います)と聞かれたので、店内で食べることにします。
お店の中と外のテーブルとどちらも空いていたので、明るい外のテーブルで食べることにしました。
お料理を待ってる間、お店の一角のキッチンエリアを物珍しく見ていると、おじちゃんがにこっと笑顔で、見てごらん!のジェスチャー。
なになに?と思った瞬間、シシカバブ(串焼き)をひょいっ!くるっ!と回してキャッチ。
つい笑顔になってしまいました。
あっ!動画に撮ればよかった~!
そんな感じで楽しく待っていると、注文した料理が到着。
まずはピザから、甘辛のBBQソースで、子どもが好きそうな味。
続いて、ケバブ、ずっしりと重い…。
肉も野菜もしっかり入ってて、食べ応えありです。
そして、最後にANADA PLATEが到着!
シシカバブにトルコ風のパン、ローストしたトマトや玉ねぎがワンプレートになったメニューです。
トマトの焦げた匂いが食欲をそそります
お肉にレモンをかけて、いただきます!
お~!美味い!肉も野菜も新鮮で、食材の味をスパイスが引き立ててる感じ。
焼いた唐辛子も恐る恐るかじってみたけど、そんなに辛くなくて、味のアクセントにいい感じでした。
そういえばさっき、おじちゃんがくるっと回してたのは筆者のシシカバブだったのかな?
食べ終わるころには、外の席までいっぱいになっていて、人気店なんだなと改めて分かりました。
オーストラリア最大級のモスク-Auburn Gallipoli Mosque-
お腹いっぱいになったところで、ケバブレストランをあとにして、街をお散歩します。
ストリートにはこんなゴージャスなジュエリー屋さん(本物?)や中東のスパイスがたくさん並んだ小さな商店などが並んでいます。
すっかり異国に来たような気分でワクワクします。
少し歩いた後、次の目的地、Auburn Gallipoli Mosque(オーバーンガリポリモスク)を外から拝観します。
このモスク、オーストラリア最大級のモスクとも言われています。
1990年代に建てられ、その建設費用はトルコ人コミュニティの寄付でまかなわれたとか。
広い敷地に佇む大きく美しいモスクを見ると、なんだか神聖な気持ちになります。
今回は、外から見ただけだけど、信仰の有無にかかわらず、見学させてもらうこともできるみたい。
次来る機会があったら、色々勉強してみたいなと思いました。
トルコスイーツ-Gaziantep Sweets-
少し歩いてお腹が落ち着いてきたので、別腹・デザートまで食べに行くことにしました。
トルコスイーツのお店「Gaziantep Sweets」にやってきました。
中にはテーブル席がいくつもあってカフェのようになっています。
暑かったので、アイスクリームが食べようということで、数種類をスプーンでテイスティングさせてもらいました。お、アサイー味がある(写真の黒いアイス)!
びよーんと伸びるトルコアイスを想像してたけど、シャーベットみたいな感じ。でも甘くてさっぱりして美味しかったので1スクープ(5ドル)を注文しました。
実はこのお店には、アイスではなくて、トルコスイーツ・バクラヴァを目当てに来たんです。
バグラヴァとは…薄いパイ生地を何度も折り重ね、中にピスタチオやくるみ、アーモンドなどのナッツを挟んで焼き上げたもの。
最後に、シロップに浸して、甘く仕上げたスイーツです。お店には何種類ものバクラヴァが綺麗に陳列されています。
初めての来店でなにがいいのか分からなかったので、店員さんおすすめのピスタチオとくるみの2種類をお持ち帰りすることにしました。
左がくるみ、右がピスタチオ。冷蔵庫で冷やしてからいただきました。
パイ生地はサクサク、嚙んだ瞬間にじゅわっとシロップが出てきて、初めての体験。
味はピスタチオの方がやさしい感じ。それでも甘さ控えめが好みの筆者にとっては少し甘すぎたかな。
次は店員さんに甘さ控えめなものを聞いてみよっと!
アイスもバグラヴァも「Can I try this?」と聞いたら、試食させてもらえたので、気になったものは試してみるといいかもしれません。
戦争で亡くなったすべての方の慰霊碑
デザートを買って、駅に向かう帰り道の公園に記念碑がありました。
戦争でなくなった兵士たちの慰霊のためのもののようです。
実は、トルコとオーストラリア、第一次世界大戦中に、それぞれオスマン帝国と連合軍として、戦った歴史があります。
連合軍がオスマン帝国の首都イスタンブールを占領するため、ガリポリ半島に対して行った上陸作戦をガリポリの戦いといいますが、1915年、オーストラリア軍の兵士たちがガリポリ半島に到着した後、8か月に及ぶ上陸作戦が展開されました。
この激戦で8,000名を超える兵士が命を落としました。
ガリポリのオスマン帝国の軍司令官でもあり、トルコの初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルク氏が残した有名な言葉が書かれていました。
血を流し、命を失った英雄たちへ…あなたは今、友好国の土の中で眠っています。それゆえ、安らかにお休みください。私たちにとって、ジョニー(イギリス人)とメフメッツ(トルコ人)との間には、この国で隣り合って横たわっていることに、何の違いもありません。遠い国から息子を送り出した母親たち、涙を拭いてください。あなたの息子たちは今私たちの胸に横たわり、安らかに眠っています。彼らもこの地で命を落とした後、私たちの息子となったのです。
Australian War Memorial HPより抜粋
当時は敵同士だったけど、悲しい歴史を乗り越えて、今では良好な関係性を築いている両国。
そんな関係に感服すると同時に、今こうして平和なオーストラリアで生活することができていることがどれだけ幸せか、実感した一日でもありました。
公園でひなたぼっこをする鳥たちを横目に見ながら、穏やかな気持ちでオーバン駅に戻りました。
シドニーにいながら、海外旅行に行ったような気分を味わえて、楽しい1日になりましたとさ。
聞いたところによると、他にも韓国人街やイタリア人街なんかもあるらしい。
次はどこに行こうかな、行ったらこのブログで紹介したいと思います。